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グループホームさいかい香椎の日記

福岡県福岡市の精神・知的障がい者向けグループホーム「さいかい香椎」のブログです

依存症対応施設の必要性とそのあり方

依存症を1つの障がいだと考えると

治らない、もしくは治りにくいモノとして

そのままで不自由なく暮らすことを大前提に

障がい者グループホームでは考えるわけですが

基本「自由」なグループホームでは

本人の意思に左右されるわけで

このやり方だと、なかなかうまくいかない

 

依存症を病気と捉え

「治療」に重点を置こうとすると

病院のように管理を強化していくしかなく

今のグループホームの自由さは大きなネックになります

 

依存症の方が

病院や矯正施設内で改心して

地域に戻ってくるとやっぱりまた手を出してしまう

ということはありがちで

家族はこの繰り返しに失望し、

絶望の中で当事者を責め立ててしまうわけです

その家族に、いくら家族の理解が必要だと説いても

なかなか納得感がないのが現実でしょう

 

これは、依存症の特徴である

「手に入らない状況下では欲しくなくなる」

という点が大きく影響しています

彼らは嘘をついたわけではないのです

病院や矯正施設の管理下では

本当に欲しくなかったのです

本当に欲しくないので、その言葉は本気です

本当にやめようと思うし、もうしないと誓えるのです

現在の病院の治療では

さまざまなプログラムや薬物治療、精神療法等を進めていく中で

しっかり自分の病気や生活を振り返ることが出来て

なおかつ「自分の口で、本心から手を出さない」と言えば

内科的な疾病が無く、精神症状も落ち着いてしまえば

だいたい退院出来てしまうものだと思います

 

で、管理下から離れ、外に出た途端に

また、手に入れてしまうのです

 

水よりも安くアルコールが手に入り

コンビニにもだいたいアルコールは置いてありますよね

駅前にはパチンコ屋が乱立し

ケータイで簡単に出会い系にアクセスできます

違法薬物も本気で手に入れたければ、わりと簡単に手に入るわけで

そんな依存症大国日本では

病院や矯正施設の管理下で「もうやめる」と決めていても

本当にやめるのは難しいのが現状です

 

グループホームでは、その自由さゆえ

抑えきれないとうすうす分かっていても、受け入れます

受け入れた以上は本気で向き合い

彼らの「衝動」が湧きおこるまでに何とか人間関係を作ることで

飛び出しても戻ってきてもらえるように

意識を繋ぎとめるので精一杯です

コミュニケーションが難しく

人間関係が出来ないうちに飛び出されることも多々あります

もちろん、グループホームに入ることで、

心の中のさみしさがほんの少し解消され

ストンと落ち着いて生活出来るようになる人もいます

しかし、落ち着いて定着出来る人は多くはありません

 

そこで、最近考えているのは

「依存症対応の施設」があればいいのになぁということ

グループホームほど自由ではなく、

病院ほど管理しない施設

海外では病院未満の「治療共同体」というモノがあります

日本でもさまざまなミーティングがあったり

DARCやMACなどの共同体とも言うべき共同生活の中で

さまざまな「プログラム」や「当事者の連帯感」を通して

治療につなげようということはしていますが

最近の「治療共同体」のような取り組みはほとんどありません

DARCなんかも基本は自由意志次第で

がっつり「管理」をするわけではないはずです

 

行政の人と話していても

「管理強化型のグループホーム」となると

現行の支援法のグループホームの枠組みの中ではなかなか難しく、

正直なところ、現実味はないとのことでした

それは障がいがあってもみんなと変わらず生活できるように

自分らしく自由に生活できるようにという発想が

理想とされているからです

 

日本同様依存症大国と言われ、

その対策でも先進国と言われるアメリカでは

「治療共同体」の1つの形として

入居者を階層的に管理し、施設内のあらゆる仕事を

「責務」として与え、その「報酬」として「自由」を提供する

という施設があります

「責務を果たせば報酬が得られる」という当たり前のことを

その意識の中に叩き込むと言うのです

入居当初は全く外出が許されず

先輩入居者の指導のもとに仕事を覚え、少しずつ階層をあがっていくと

次第に月に1度の外出が許され、週ごとになり

最後は週末ごとに外泊出来るまでになっていく

仕事も次第に重い責任を果たすようになっていくため

依存対象のモノ以外に、

日々の仕事の中で「生きがい」を見つける術を身につけていくのです

その施設を出るころには就労意欲も出て自信も手にしています

 

施設内で無償で働くことだったり、

最初に「自由」を与えないことだったり

たぶん、そのまま日本に持ち込んでも課題だらけでしょうが

病院には出来ない部分、グループホームには出来ない部分を

新たな中間的施設が存在することで補えるかもしれない

その可能性は感じます

 

関東の方では

寄付を集めて?この「治療共同体」の

1つの形を模索し始めた施設があるようですが

どのような形態でやっているのか興味津々です

 

福岡でも

何か新たな取り組みを始めたいところですが

グループホーム単体でやっているさいかいの影響力なんて微々たるもので

なかなか難しいところなので

ひとまずは、現行の制度の中で

グループホームとして」何ができるのか?

しっかり考えていきたいと思います